Column No40 『当事者が一番たのしい』

副理事長 小林剛志

北京冬期オリンピック・パラリンピックが開催され、小林陵侑(ジャンプ男子NH)や平野歩夢(スノーボード男子HP)高木美帆(スピードスケート女子1000m)の金メダルをはじめ多くの日本選手の活躍を見ることができました。つい半年前に開催された東京オリンピック2020が遠い昔の出来事のようです。皆様は夏期・冬期オリンピックはどのように観戦しましたか?奇しくもどちらもCOVID- 19の感染拡大まっただ中で、直接観戦することはできませんでした。まして感染対応でそれどころでは無かったという方もおられると思います。

そんな医療が逼迫しているというなかで、私は「聖火ランナー」や「ボランティア」に参加して東京2020を十分に堪能しており、医療界としては不届き者となっていました。その反動もあり、自分の中では北京オリンピックは少し遠くの出来事のような感じがしてならないのです。なぜ、そんな思考になったのかちょっと考えてみました。

そのキーワードは「当事者意識」なのかと思っています。

しかしその「当事者となる」ためには、とても大きなハードルがあります。それは「実行する」という一歩進むことに対する自分がもうけた「壁」です。私たちは自然になんの躊躇も無く、リスクを考えます。例えば、金銭的、時間、場所、人間関係などの問題を挙げ、あらゆることに対しできない理由を作り出す天才になるのです。皆様も経験があると思います。先に例を挙げた「ボランティア」ですが、当初は仕事の調整やそこに至るまでの研修やCOVID- 19など色々なリスクはありましたが、自分が勝手に妄想したリスクは簡単に取り除けることができ、結果「参加してよかった」と感じています。そこに参加するという「一歩」を決断し「当事者」になったからです。

また、昨年秋に第49回衆議院総選挙が実施され、当連盟でも協力をしてきました。実際に私は神奈川3区で立候補した「中西けんじ」議員を応援しました。政治活動期や選挙運動時には、積極的に街にでてビラ配りなどの活動をしてきました。「選挙」と聞くと一歩下がる方もいるかと思いますが、集まっている方はそれまで面識の無い方々でしたが活動を通じて部活を思い出すような一体感がえられただけではく、普段つながらないような金融保険関係者や弁護士事務所の方など新しい出会いもありました。例に挙げた活動は、どちらも一歩進み「当事者」となることは「新しい世界が広がる」と認識した体験です。これは、端から見ているだけでは体験できなかったことです。

世の中で成功している方を多々みると、マインドの方向が違います。私が崇拝する放送作家の小山薫堂氏の格言に、「努力は夢中にかてない」(本当はビームスの設楽社長の言葉らしい)があります。まさしく「言い当てているな」と思っています。自分がやりたいこと、楽しいことはリスクがあっても突き進むことができ、どんな障害でも乗り越えようと努力するのです。そう自分が「夢中な当事者」になるからです。

批判を言う人、物事を湾曲するかたはどちらかというと「傍観者」である方が多いのではないでしょうか?私は積極的に「当事者」となることで、知らなかった新鮮な世界を50歳半ばで体験することができました。

あなたはこれまで、いくつ良いことや悪いことで「当事者」になりましたか?きっとその瞬間に自分の中でモードが変わったと思います。

結局のところ「当事者」になることで、「自分の事」と認識するのです。皆様も医療会だけでなく積極的に色々な当事者として経験することをおすすめいたします。

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