Column No50 『日々黎明期であれ』

先日、参議院宮城選挙区選出の桜井充議員と面会する機会がありました。桜井議員は現役の医師であり、議員になる前は循環器内科が専門だったそうです。臨床工学技士の立場や業務内容をお話したところ、カテ室の話題になり「詳しいでしょ?(笑顔)」と私たちに冗談を交えながら話してくださいました。その場で感じたことや思われたことを秘書の方、厚労省の事務方にすぐさま電話して「資料を集めてほしい!」と指示を出されていました。また、透析業務について技士の配置基準の検討をを考えてくれていました。実現したらありがたい話です。

後日、関連学会の常任理事会で検討された結果を秘書の方から教えていただきました。「①医療事故のアンケート調査によると、臨床工学技士の配置数と医療事故の発生の間に相関を認めていないこと、②人員配置基準別の診療報酬にすると、医療施設での採用や離職に大きな問題を生じる危険性があること、③加算分の診療報酬は透析医療の枠内からの捻出が想定されるため、対応できない施設では減収になり、現在でも経営が苦しい多くの施設に多大な影響がでる可能性があること」ということでした。

先生からは「作戦を考えよう」と前向きなお話をいただき国会議員としての行動力と積極性に驚かされました。他にも医療だけでなく一次産業、日本の半導体製造やエネルギー問題など、多方面のお話を聞くことができ大変勉強になりました。「政治」の話をすると、嫌がられることもあるかと思います。今の高校生は「選挙運動」や「政治活動」についての授業があるんですね。娘から教科書を見せてもらい「ほ~なるほど…」と新たな発見もありました。これからは若い世代が積極的に参加することで、政治家も若者向けの政策を掲げて選挙に備えるかもしれません。授業を受けていない私と同世代の皆さん…、政治について勉強しないと取り残されてしまうかも…。

以前、金 成泰先生が宮城で私たち臨床工学技士向けにご講演された際、メッセージとして印象に残った言葉があります。「日々、黎明期であれ」です。『黎明期』とは、「輝かしい次の時代への始まりの時期」とか、「新しい時代・文化などが起ころうとする時期」(広辞苑、大辞林より)とあります。来年 2024 年には医師のタスクシフトが始まります。時代の変化に対応すべく、いま、抱えてる課題を乗り越える。『「ひとり」では無理でも、「みんな」なら出来る』黎明が告げる鐘の音を皆さんと聞くことができるように。。。

北海道・東北ブロック理事 引地 誠

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