column No3「公認、推薦、自主投票」

統一地方選挙のさなかですが、選挙になるとよく耳にする公認や推薦について皆さん理解されていますか?自身の備忘録も含めて簡単に整理してみたいと思います。

「公認」は総務相に認められた政治団体の党員であることが条件です。政治団体(政党)は所属する国会議員が5人以上か、一番近い国政選挙で2%以上の票を得ていることが必要です。つまり国の認めた政治団体の一員であってその党がお墨付きを与えた候補者です。政党が発行した所属党派証明書を添えて選挙管理委員会に立候補を届け出れば公認候補となります。

でも有権者からすれば自民党から公認を貰っているからと言って、それが直接投票行動につながるかと言えば疑問です。何となく党が公認しているから信用できる人かなーくらいな印象ではないですか?一方、立候補される候補者にとって例えば自民党から後任を貰えるか否かは大変な重みであるように感じます。とは言え公認されなくても当選する候補者は居ますし、当選した後に公認されるという離れ業も散見されます。その疑問は党員票にあります。

一昨年自民党は120万党員確保へ強権発動し、党員獲得のノルマ未達議員は名前を公表、ノルマ未達の場合は不足党員1人につき2千円の罰金まで課すという荒業に出ました。リンク先に示すように昨今の党員数減少 に歯止めをかけたかった狙いがあります。
https://www.sankei.com/politics/news/170627/plt1706270002-n1.html

勘の良い方はお気づきでしょうが、この票が党によって候補者の選挙区に割り当てられるのです。当該選挙の対象でない国会議員は、党によってその選挙区で公認した候補者の担当として割り振られ、実力のある国会議員や著名な国会議員が自分の担当になってくれると、候補者にとっては非常に有り難いという話になります。要するに組織票ですね。

「推薦」その政党と理念や政策が近しい候補者に与えられるものなので、党派を超えて出されることも多々あります。党が推薦した場合も組織票が動くので、公認との大きな違いは自身の党(団体)に所属しない候補者にも出せるところでしょうか。当連盟にも選挙時には多数推薦依頼が届きます。経験の浅い団体では推薦状を出すことに重圧を感じて躊躇うこともありますが、自身の団体の組織票をどう動かすかなのでそこまでビビる必要はありません。ただ、四方八方推薦状を乱発すると先方に信用がなくなって、当選した後も良好とならないことは言うまでもありません。

「自主投票」について調べると、選挙において、政党や圧力団体などが公認・推薦・支援する候補者を特に定めず、構成員が自主的に判断して投票すること。とあります。政党や団体として方針を決めかねる時に使われるようです。

しかし、そもそも国民主権である我が国は個人個人が自分の意思で一票を投じるもの。トップダウンで指令が下されること自体???と感じるのは私だけ?もっと言えば、指令が下ったとしても皆素直に言うこと聞くの?事実上常時自主投票なんじゃないの?ただ、選挙結果をみると組織票が影響しているのは明らかで、大部分の党員(組織員)は上層部方針に従って投票している実態が伺えます。“まとまらなければ力にならない。まとまりすぎると暴走が怖い”人類の永遠の課題かもしれません。

たった二人の夫婦ですらまとまるのは至難の業。妥協と忍耐が継続の秘訣だと思います。あ…夫婦の話ですよ。(笑)

https://r.ls069.andcloud.jp/wp/PDF/column_No3.pdf