Column No9「分け前の放棄」

日臨工会員の大半を占める30代以下の若い人たちに是非聞いて欲しいことがあります。国政選挙の投票権が18歳以上に引き下げられた時にもお伝えしましたが、政治に興味を持ってもらうために総務省が作成した高校生用のテキスト「私たちが拓く日本の未来」に、政治について書かれています。「政治の一番分かりやすい役割は、お金の集め方や使い道を決定するということかもしれません。」とあります。即ち、みんなから集めた税金をどう分配するのか話し合いで決める所なのです。もう少し解りやすく言うと、親が稼いできたお金を子供たちに小遣いとして分け与える為に、「小遣いが欲しい人この指止~まれ!」と言って呼び掛けているのに、歩み寄らなくて小遣いがもらえない状況と同じ、まさに分け前を放棄しているのです。
安倍総理はこの度改造した新内閣のことを「安定と挑戦」と名付け、最も力を入れて取り組む課題は少子高齢化であると述べられました。イラストにもありますが社会保障を支える現役世代の減少は喫緊の課題で、将来に大きな不安を抱える材料と言わざるを得ません。

高度経済成長を遂げた時代は人口構成も正のピラミッドを形成していましたから、少ない引退世代を多くの現役世代が支える構造だったため負担も少なくて済みました。その少ない負担で済んだ世代が、現在引退世代となっていますから、少ない負担で済んだまま現在の現役世代に支えてもらっている構図となります。(解りますか?大きな声では言えませんがお金をたくさん持ったまま、若い世代に支えてもらっているんですよ。)女性の社会進出や外国人労働者の受け入れも、実のところは国の懐事情の解消が最も大きな目的と考えられなくもないのです。

少ない給料からなけ無しの銭を連盟のために寄付して下さる若い人たちに、少しでも連盟活動の趣意をお伝えしたくて、このコラムを始め今回で9回目となりました。どうせ誰も読んでくれないと半ベソかきながら、今回は少々際どい内容になりましたが、無気力・無関心で幸せが継続できるほど、世の中甘くないと思うのは、考えすぎでしょうか?自分の未来は自分自身で創造して欲しいと願うばかりです。

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