Column No19「人生の主役は自分自身」

●道を決めているのは自分自身
あなたが選ぶあなたの正解は、あなたがいる環境で決まることをご存知だろうか。例えば、あなたが不良グループに属していれば不良の人が考える答えが正解となり、優等生グループに属していれば優等生の人が考える答えが正解となります。この正解という答えは、あなたの常識の良し悪しの判断基準となるものなのです。なので、この常識の判断基準は、あなたが置かれている状況やあなたが従うルールによって自然と変って行きます。ただ、人は現状を理解し、現状を受け入れる事ができれば、今以上に良くなろうと努力し、同じ努力する人と仲良くなります。これは趣味などと同じで、同じ常識を持っている人は年齢性別関係なく対等に話合いができ、直ぐに仲良くなれます。

●身近な人間関係で例えると
では、あなたが働いている職場での常識の判断基準について考えてみましょう。大方は、上司や先輩技士の方の考えがルールとなっていると思います。こういった事を言うとなんとなく、上司や先輩技士の考えがルールとなっていることは、良くないのではないかと思いがちですが、ある意味組織の中で人を育てて行くためには親が子どもの事を心配してルールを決める様に当然のことです。人の成長は人への依存から始まって自立、そして自立した人達が互いに助け合う相互依存の関係を構築することになります。なので、一人の臨床工学技士が自立するまでには、指導・手助けする上司や先輩技士に指導を受けたり手助けしてもらったりと依存しなければならなく、上司や先輩技士の考えに沿った形で働く事が組織の体制を維持するために大事となるのです。今は依存しているあなたも上司や先輩技士に徐々に一人前と認められ自立する事になります。そして、上司や先輩技士とお互いに助け合う相互依存の関係になって行きます。これは、組織の体制を考えるときに必要な事です。ただ、上司や先輩技士が部下のあなたの存在を認めることを行なわず、自分を高く評価して欲しいと自己承認欲求で働いていると閉塞感の漂うギクシャクとした職場となります。いい上司や良い先輩技士は今以上に職場が発展して行くように自分よりも有能な部下を育てる事が大切で、部下のために働きやすい環境を構築するのが上司や先輩技士の役割だと分かっています。

●少し枠組みを大きく考えると
では、少し枠組みを変えて、あなたが働いている医療環境ならびに、あなたの労働に対する対価の常識について考えてみましょう。年々、国の医療・介護費が増加しています。超高齢化・超少子化社会の現在、医療費よりも介護費の増加が留まるところを知らない様な状況となってきています。私たち臨床工学技士は医療の分野で働いていますので、介護費が増加した分を医療費から補填するような状況になると限られた財源の中での取り合いとなり大変な状況に陥ります。なおかつ、臨床工学技士が診療報酬算定要件となる状況を多く作らなければ、臨床工学技士として進める進路は自ずと少なくなってしまいます。この医療環境や臨床工学技士としての対価のルールは政治で作られます。なので、政治が大切だといった現状を理解し、臨床工学技士の現状を受け入れる事が大切になります。

●政治を身近に感じよう!
それで、政治を“超”簡単に説明すると、「政治とは国のお金の使い方を決めること」です。国のお金を使うには、使い方の根拠となる法律が必要となります。なので、政治家は国会で国のお金を使うための法案を提出します。この法案は国会議員が有権者からの意見を聴いて、「世の中を良くする」ことを考え作成し提出します。え、本当なの?と疑問符を持たれる人もいるかとは思いますが、事実です。ただ、「有権者からの意見を聴いて」の部分を多くの人が理解していません。政治家も政治家であるためには、選挙の時の票が必要です。選挙で票が入らず落選すれば、政治家だった人も政治に詳しいタダの人になります。なので、政治家として応援してくれる人達を大切にしますし、有権者からの意見としてちゃんと聴きいれて対応してくれます。なので、お金持ちの人達は、自分達に有利になるように国会議員にすり寄る様にして一生懸命応援し、意見します。逆にお金持ちの人達は、一生懸命に真面目に働く政治的無関心の人達のことを歓迎します。それは、一生懸命に働く人達に渡されるはずだった国のお金を搾取することができるからです。お天道様が見ているから臨床工学技士として一生懸命働いていれば、臨床工学技士として良い世界が待っているとは成りません。ある意味、お金持ちの人の視点から考えると30年以上政治的に黙っていたのですから、だいぶ損していますし、選択肢を失ったのではないかと思います。
ただ、今からでも遅くはありません。思い立った時が吉日です、今後の医療を良くしたい、臨床工学技士を良くしたい、それが、私たちの愛する人を助けるためになると思うのであれば、是非とも連盟に加入して意見を述べて欲しいです。別段、意見を言わなくても政治を動かす組織票にはなりますので、多くの仲間に日本臨床工学技士連盟へ加入を勧めて下さい。

 

column_No19