Column No34 『知己を得る』

知己(ちき)という言葉の意味は、(1)自分のことをよく理解してくれている人。親友。(2)知り合い。知人。と辞書に書かれています。皆さんは該当する方が何人いるでしょうか?(1)より(2)なら該当すると答え易いでしょう。今やSNS時代「Facebook」「Twitter「Instagram」そして「Line」等があります。SNSのNは「networking」私は交流の意味として理解しています。また、networkは網状で作られたものですからconnection共に「人脈」とも訳されます。

そう言えば、昨年のコラムもこの時期に原稿を書きました(笑)。そのコラムで、「What happened?」の声掛けを是非ともお願いします。と結びましたが、今回は自分自身が困っていても誰も気にかけてくれない時…さぁどうするか。誰に相談するか、相談までいかずとも誰に話を聞いてもらうか、その誰かがいるのか、いなければどうするか考えたいと思います。

他人との交流って地域社会、仕事関係、趣味関係等に分けられると思います。それぞれ自分から目的をもって関係性を築いていかないと得るものは少ないかもしれません。また、極端に関係性を求めると嫌悪感を抱き敬遠されることがあります。地域社会においては相手にされなくなったり、家族がいる場合はそれぞれコミュニティーが違いますので複雑になっていきます。仕事関係ではいい経験、いい技術、いい情報を手に入れ、ビックチャンスに繋がることがあるかもしれないですし、反対に関係性により別の職(業界)に追いやられることもあるでしょう。交流は意外と地域社会と趣味関係が積となってより強くより深い信頼関係を築くこともよくあることですし、そこからさらに交流が広がり相談相手も増えていくことでしょう。

皆さんは、おそらく仕事関係で著名な先生に是非とも挨拶したいと思った時は、会議、勉強会、セミナー、そして学会等で名刺といったツールを使って交流していると思います。しかし、それっきりで終わってはいないでしょうか?それだけで満足してはいないでしょうか?今はコロナ禍でそれもなかなかできない状況ですが、逆に今は全国規模でもWEBセミナーや会議でお互いの名前と顔が一致するともあるでしょう。交流はどうも苦手という方ももちろんいらっしゃると思いますが、ここは共通の趣味を持っている人を探すような感覚だったり「知り合いかも」でプロフィールを覗いたりと一歩前へ踏み出してみましょう。

それでは、広い人脈(知己を得る)を作るための必要事項をいくつかあげてみます。

1.いろいろな場所へ出かけ積極的に顔を出す
知り合いになりたい人あるいはそれに近い人との交流を広げ人脈を作るには、当然、人と会う必要がある。自分の顔が出せるWEBもよし、SNSに参加もよし、できるだけ交流の場に積極的に顔を出すようにしたい。まず行動。

2.人脈のために趣味や知識を増やす
当たり前ですが、日頃から手軽なネットニュースにはじまり各メディアに注目しておく、共通の話題がなければ関係性を深めることは難しいが、苦手な分野があってもいいと思いますし、逆に教えてもらうチャンスがあるかもしれない。他業種にも人脈をひろげたいならそれなりに広い知識は必要です、スポーツ・おしゃれ・エンターテイメントといった本業に関係ない趣味も共通の話題になることが多いので身につけておきたい。知識の蓄積。

3.知り合いになりたい人やそれに近い人の情報を調べておく
相手と共通の話題を持つためには、会う相手(近い人)の情報を前もって調べておく。たとえば相手のSNSアカウントを探し、業績等は公開されているので敬遠されないが、不確かな情報は不信感を持たれることもあります。その他として出身地等の情報は相手に気分よく話してもらうことで、印象深い関係性に発展しやすくなる可能性があります。確かな情報の収集。

4.個性を意識する
交流の場などに積極的に足を運ぶのは良いことだが、自分のことを相手に印象づけなければ意味がない。そもそも交流の場に出席している人は、普段からたくさんの人と接しているので一瞬にして得な相手かどうかが判断されてしいます。自分のことをアピールするには、何かエピソードがあれば記憶の片隅に残るかもしれませんが、ないとかなり難しいと思いますので、短時間でさりげない個性をアピールしチャンスを掴もう。自己アピールで伝える。

5.頻繁にやり取りを行う
エピソードや個性をアピールして、その場では印象にのこっても、次の連絡を考えないといけない。連絡頻度が少ないと段々印象は薄くなっていきます。長期にわたって人脈を広く保つには、つながった相手とはできれば頻繁にやり取りを行いたい。会った直後のお礼や新年の挨拶だけでなく、相手の誕生日やシーズンごとに連絡を入れておくと、相手は自分のことを覚えていてくれる。連絡と気遣い。

その他にもいろいろあると思います。知り合いに紹介してもらう、共通の知り合いを有効活用することが最も効果的ですが、これからご自身で自分の人脈を作ろう・広げようという方には少しでも参考になれば幸いです。知己を得るには行動し言葉で伝えるこの努力が必要です。相談できる相手が少しでも増えるといいですね。

関東甲信越ブロック 清 正夫

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