Column No17「何のための技士会や連盟なのか?」

近畿ブロック 広報部長 三井友成

私が技士会の役員になってから20年が過ぎました。「何を思い技士会(連盟)を運営しているのか?」を振り返ってみました。
私は、今の施設に1人目として就職しました。そこでは、臨床工学技士という職種の知名度の少なさや診療報酬の少なさに悔しい思いをしながら、少しでも待遇改善を考えながら、年月を重ねてまいりました。そして、10年、20年と年月が経過するうちに任される仕事が増え人数が増えてきました。そこで今、どういう思いでこれまで歩んできたかを文字にしたいと思います。

①   少しでも自分たち待遇が良くなるように

②   社会的に認知される資格になるように

③  次の世代の人達に肩身の狭い思いをさせないように

このようなことを想い技士会を運営しているわけです。私だけでなく、その他の役員も同じことを想っているはずです。皆さんも同じでしょうが、医療職の国家ライセンスを取得し、就職したからには、40年近く働くことになります。そうなると、この資格や自分の待遇を少しでも向上するように・・・と思うのではないでしょうか?そして、このように思い続けていれば道は開けてくるのだと、少しは実感もできるようになってきました。

しかし、まだまだ充分であるとは言えません。少し前までは、各個人が頑張っていれば、きっと社会が認めてくれ、診療報酬も上がるのではないかと思っていました。ところが全然向上しませんでした。そして、連盟が発足し、社会の仕組みを知る機会ができました。診療報酬は、限られた予算の中から優先順位を付けて配分されていたのです。他の団体は、診療報酬を決める場所に国会議員などの自分たちの職域の話をしてくれる人が参画しています。優先順位としても臨床工学技士の要望は、必然的に最下位になってしまうのです。

我々は、やっとの思いで我々の声を代弁してくれる国会議員の団体である「議員連盟」を発足させることが出来ました。厳しい社会情勢の中で、我々の職種がどのような方向に進むのかは、きっと皆さんの活動にかかっているのです。

次の世代の人達のために、それぞれの施設の可愛い部下のために、将来、臨床工学技士を目指すかもしれない可愛い息子や娘のために・・・、「私は臨床工学技士です!」と胸を張って言える、また臨床工学技士という資格を「誰もが知っている」、そのような時代が来ることを目標に技士会運営をしているのです。何事も一足飛びには進みませんが、臨床工学技士が誕生して30年、着実に進歩し、社会的にも認知される医療職団体に進歩してきているのです。よく、「技士会に入るメリット」や、「会費に対する見返り」など、厳しい意見を伺います。その都度、私は「個人で出来ないことを実現する集まり」と返答します。

全ては次の世代の人達のためへの投資なのです。

皆さんも「次世代の人達のために」をスローガンに、一緒に技士会や連盟に参画してみませんか?世代を問わず、やる気のある皆様の参画をお待ちしております。

 

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