Column No.75 『飲みニケーションのすゝめ』

今の時代「飲みニケーション」という言葉は古いと言われますが、私にとっては大切な学びの場で、社会人になってから、人とのつながりは飲みニケーションで培ったと言っても過言ではありません。
私はお酒が好きで、人が好きなため、自ら主催をしてでも飲みに行き、時には同じ過ちを繰り返し、記憶やお金を失った日も数知れず(笑)。それも含めて今の自分を形作っています。そんな飲みニケーション、いえ、コミュニケーションを大切にしたお陰で、こうして連盟活動をさせていただくようになった経緯と、人と人の繋がりの大切さをお話しさせていただきたいと思います。

私は2018年から前内閣総理大臣である岸田文雄衆議院議員の後援会「岸田文雄中央青年部」にて役員をさせていただいております。
岸田先生とは昔からのご縁があり、青年部を発足する際に声をかけていただいたのがきっかけです。
その頃は、政治に全く興味がなく、「なんか楽しそうだから入ってみる!」と、20代の右も左もわからない私は一人で飛び込んでみました。青年部とは言えども、メンバーは40代・50代の社会的に地位の高い方ばかりで、今となってはこんな経験の浅い私の面倒を、ずっと見ていく羽目になるなんて誰も思わなかったと思います。

青年部で役員をするようになってからは、「人脈」や「信頼関係」という言葉の重さを実感することが増えました。
それまでは関わる人は自分のコミュニティであったり、医療関係者、異職種と関われるのは限られた交流の場くらいでしかありませんでした。
無知のまま青年部に入り、お酒を酌み交わすうちに、利害のない関係だからこそ、本音で語り合えました。社会的に立場の高い方々が私の話にも耳を傾け、親しく交流を続けてくださった時に、誰かを共に応援していくという事は肩書や名誉なんて関係ないのだと改めて感じました。
そんな、利害のない関係だからこそ、純粋な心で信頼しあえるのではないかとも思います。
その一方で、狭い自分だけの価値観の世界から、様々な価値観の社会を初めて知り、良し悪しを見極める力も大切だと痛感することができました。

そんな活動をしている時に2022年に岡山県で行われた中四国臨床工学会で肥田理事長の連盟企画の講演を聴講し、こんな政治活動があるのだと初めて知りました(遅すぎてすみません)
青年部にて政治活動をしていたからこそ、政治力の大切さや、連盟活動の大切さを知ることができたため、青年部に入っていなければ、臨床工学技士の政治活動なんて全く興味のないことだったと思います。
連盟の活動もそれまで知らなかったのですが、当時、岸田先生は内閣総理大臣でしたので、何かお役に立てることはないかと思い、講演が終わってすぐに上司に肥田理事長を紹介していただきました。
上司は昔から肥田理事長に大変お世話になっており、私は姉妹で臨床工学技士ですが、姉も肥田理事長にとてもお世話になっていたので、ありがたいことに、すんなりと受け入れて下さり、連盟活動に参加をさせていただくようになりました。

そこからは私のお酒好きが功を奏して、たくさんの方々のご縁に恵まれました。
私は“細かいことにとらわれすぎない”ことをモットーに、肩書や名誉に縛られず、人として誠実に向き合うことを大切にしてきました。そのおかげで、多くの方々と温かいつながりを持たせていただき、そうした出会いこそが、私にとってかけがえのない財産です。

私自身も連盟の活動を知ったのは遅かったのですが、同じようにまだ知らない若手や、興味を持てていない方も少なくないと思います。だからこそ、そうした方々にも“ご縁”をつなげていけるような存在でありたいと考えています。振り返れば、私が連盟に関わるようになったのも人と人とのご縁があったからこそであり、共通しているのは「名誉や肩書き」ではなく「人柄やつながり」がすべての始まりだったということです。これからは、いただいたご縁に感謝しつつ、私も誰かにとっての“橋渡し”となっていければと思います。

中部ブロック理事補佐 田中 智子