去る4月25日(木)臨床工学技士が誕生して以来歴史上初めての、厚生労働省医政局医事課による臨床工学技士の実際の業務内容を把握為の施設見学が実施されました。目的の背景には、医師の働き方改革に伴うタスクシフトがあり、医師の業務負担軽減のどの分野において臨床工学技士を活用することができるかが焦点となります。
大阪大学医学部付属病院では補助人工心臓を中心とした手術手技や外来診療の補助、埋め込み後の患者に対する機器の取り扱い教育の実際など、生命維持管理装置を中心に扱う臨床工学技士の高度複雑な医療現場を実際の目で見学して頂きました。
冒頭にご挨拶を頂いた澤教授を始め、直接現場に居られたICUの先生方がこぞって異口同音に「臨床工学技士無くしてこの医療現場は成り立たない、すでに医師では補う事の出来ない業務も数多く存在する。」と数多く絶賛するお言葉を頂きました。厚生労働省の3名の方々も実際の現場で活躍する臨床工学技士の姿に感心されている様子が伺えました。大阪大学では先進臨床工学共同研究講座がすでに開設されていることから、後のヒアリングでは教育など養成課程についても話題となり、2021年に予定されているコアカリキュラムの見直しについても、見学の内容が検討材料になることをお話しされました。
たった一日のタイトな弾丸ツアーですので、昼食も満足に口にされず足早に次の目的地である奈良県立医科大学へと移動され、全国に先駆けて行われている麻酔アシスタントの業務内容について引き続き見学を行われました。
全国的に不足傾向にある麻酔科医のアシスタントとして臨床工学技士が補助業務を行う事で、医師の業務負担軽減だけではなくインシデントなど安全確保においても非常に高い貢献度があることを、病院長の古家先生が述べられました。後のディスカッションでは、法整備や通知など臨床工学技士の業務拡大について具体的に前進させる手法についてご指導いただきました。臨床工学技士があらゆる場面で有効な働きが可能であるという数値的な根拠の集積をとご助言頂きました。要望の前進にEBMが欠かせないことを改めて思い知らされました。会員一人一人の意識改革も今後必要になってくり要件かもしれません。
3人の厚労省の先生方はもちろんDr。比較的お若い先生方でしたので、研修医時代に臨床工学技士に習ったというご経験の方もいらっしゃいました。どこのどなたか存じませんが、その時に失礼な振る舞いは無かったですよね?!と、責めたくなる気持ちになります。今更言っても仕方ないか…(汗)