近年、連盟を退会される方が増加しています。その背景には、「裏金問題に嫌気がさした」「自民党一色の方針に疑問を抱いている」「支援を続けても意味がない」「物価高騰で経済的に余裕がない」など、多様な理由が挙げられています。個人の政治信条は憲法で保障された基本的な権利であり、私たちがそれを制限することはありませんし、その意思もありません。しかし、果たして退会が根本的な問題解決につながるのでしょうか?
退会されたいというお気持ちは理解できますし、共感する部分も少なくありません。しかし、連盟の活動は臨床工学技士全体の地位向上と発展を目指しているものであり、この目的を達成するためには、多くの方々の協力と連帯が不可欠です。もし個人の思惑で分断されてしまうと、結果的に臨床工学技士全体の力が弱まってしまい、これまで積み上げてきた成果が無駄になってしまう可能性があります。それは私たち全体にとって損失となりかねません。
2013年7月1日、連盟はゼロからスタートを切りました。資金も知識も人脈も組織力も何一つない状態から、私たちは地道な努力を続けてきました。身銭を切り、地道な活動を積み重ねた結果、少しずつではありますが、確実に成果を上げてきました。例えば、医師の働き方改革に伴う法改正によって臨床工学技士の業務範囲が拡大され、診療報酬の獲得にも成功しました。また、政治家や厚生労働省、各種業界団体との関係を構築し、社会的認知度の向上にも寄与しています。先日の税制懇談会では、連盟が最前列に位置し、多くの国会議員との対話が実現しました。これらはすべて、連盟が築き上げた成果であり、臨床工学技士全体の未来に向けた大きな一歩です。
しかし、こうした状況の中で、社会の風潮に流され、連盟が弱体化してしまうことは非常に残念でなりません。組織を強くし、臨床工学技士全体を守り発展させるためには、時間と努力が必要です。人々の意識を変えるには少なくとも20年かかると言われています。そして、全員がまとまり、ひとつの目標を達成するためには、それ以上の時間がかかるかもしれません。だからこそ、個人の意思を尊重しつつも、臨床工学技士全体の未来のために、皆さまのお力をお貸しいただきたいのです。
連盟の年会費は都道府県技士会でまとまって加入いただくと年間わずか500円(ワンコイン)です。この小さなご支援が、連盟の活動を支える原動力となります。極端に言えば、会費のみご協力いただき、個人の投票行動については自由にしていただいて構いません。連盟はそうした柔軟性を持った団体です。それでもなお、1%に満たない臨床工学技士の声を社会に届けるためには、多くの方々がまとまり、協力し合うことが必要です。
臨床工学技士は、病院全体の中でわずか1%の割合にすぎません。この少数派の声を民主主義の仕組みの中で実現することは非常に困難です。だからこそ、私たちは小国が団結して自国を守る「集団的自衛権」のように、連帯を重視した活動を進めています。医師会との連携を基盤とした「コバンザメ作戦」はその一環であり、現時点ではこれが臨床工学技士の未来を切り開く最も有効な戦略だと考えています。
もちろん、現状の方針や連盟の運営方法に不満や疑問を抱く方がいることは理解しています。しかし、それらを変える力をつけるためには、まずは連盟が強くならなければなりません。変革を実現するには、内側からの力が必要であり、そのためには皆さまのご支援が欠かせません。現状に対する不満を建設的な意見として共有し、より良い未来を目指すための力に変えていくことが重要です。
臨床工学技士の未来を創るため、そしてすべての人々の笑顔を守るため、どうか連盟の活動をご理解いただき、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。ともに歩み、より良い未来を築いていけることを心より願っています。
「CEの未来を創る、すべての人の笑顔を創る」
私たちには、その使命があります。そして、その使命を成し遂げるためには、皆さま一人ひとりの力が必要です。