Column No13「臨床工学技士がさらに活躍するために…」

  • 事務局から見たこれまでの連盟活動
    日本臨床工学技士連盟の事務局長を拝命して早5年以上の月日が流れました。就任当初は政治の世界のことは全く分からず、ただ目の前に与えられた課題をこなすことで精いっぱいでした。その中で、私が事務局として全国の皆様にお会いするようになり、年を重ねるごとに皆様からの支援がより前向きなものとなったことにつきましては、会員の皆様お一人お一人のお力添えがあってこそのものと実感しております。事務局として、改めてこれまでご尽力いただいた皆様には深く感謝申し上げます。
  • 臨床工学技士に必要なものは?
    政治連盟・・・と言うだけで、当初は怪訝され、その活動内容を知ってもらうまでにも至りませんでした。臨床工学技士の歴史はまだ30数年と他の資格と比べても若いものですが、なぜいま政治なのか、考えたことはあるでしょうか。私たち臨床工学技士の職場での待遇、業務内容、そういったものに満足している臨床工学技士は果たして何人いるだろうか。現状を変えたい、ただ資格による縛りがあることも事実と、なかばあきらめている方が殆どではないでしょうか。我々には変わるための力が必要であり、変えるための行動が求められていました。その中で肥田理事長を筆頭に、全国から連盟の役員となる人が集まり、当会が結成されました。
  • 体当たりでは負ける?
    連盟の創設当初、我々は政治素人と言うこともあり、全ての活動が体当たりに近いものであったのではないかと、今となってはそう感じます。ただそうした活動も動き方を知らないが為、まるで初めて歩くことを覚えようとしている乳幼児のごとく、体当たりで突撃した例も数多くありました。ただ、乳幼児とは違い我々には後ろ盾もなく、パーティーに参加しては大物政治家相手に名刺を手渡し、果たしてどこまで団体として覚えていただけたのか答えも不明確なまま、地道なロビー活動を展開していたことは記憶に新しいところです。そんな地道なロビー活動の中で、一つの道が見えてきました。「議員連盟」を発足させなければ、我々の活動は展開しない。何としてでも、議員連盟を発足させたい。創設より時間はかかりましたが、明確な目標ができた瞬間でありました。
  • 苦節5年、ようやくできた議員連盟
    議員連盟とは、我々団体の活動を理解してくれる国会議員の集まりであり、我々の要望を国会内で発言してくれる可能性のある大きな成果でもあり、本格的な政治活動のスタートでもあります。連盟活動の中で多々失敗も経験し、地道にロビー活動を続け、会員数も増えてきてようやく全国にその輪が広まった2018年5月24日、自由民主党内において、「臨床工学技士の資質向上を考える議員連盟」が日本全国の代表者の参加のもと、無事に設立されました。
  • 安堵は禁物。政治は常に緊張の連続
    議員連盟が発足したからと言って、それがゴールではありません。ようやく、我々の声を聴いていただける機会が作れたという状況であり、これからが正念場です。我々医療の現場と同じく、政治でも瞬発力、正確な判断力、団結力、行動力が求められます。我々は今、その駆け引きの真っ最中であり、これからの当会の結束力が大きな結果をもたらします。
  • 秘書にならんか?
    と、ここまでこれまでの経緯をお話ししてまいりましたが、2019年8月、私のもとにある提案がやってきました。国会議員秘書として働いてみないか?目の前の箱を開けたらダイナマイトと金塊が入っていた、まさにそんな感じです。職場では一応役職、結婚して子供も4人授かり、実家の農業も兼務。果たして自分にできるのか。家族になんて言おうか。職場は大丈夫か。でもこれはひょっとすると・・・。
  • 私個人の決意
    そんな思いが交錯する中、悩みに悩みました。11月に2度目の話をいただき、これは決断するしかないとの思いで家族へ相談。何と了承。私も清水の舞台から飛び降りる決意ができた瞬間でした。ただ面接に合格しないと全てが水の泡。可能性だけを頼りに、私の挑戦が始まりました。結果は無事に合格。2020年の4月から国会議員私設秘書として、議員に最も近い立場から臨床工学技士をサポートしていきたいと考えております。
  • 皆様に現役臨床工学技士として最後のお願い
    現場を離れても私も臨床工学技士有資格者の一人。今までとは違った面からのフィードバックができるよう、私はこの道を選択しました。最後まで読んでくださった皆様、どうか臨床工学技士連盟へ変わらぬご支援を賜りますよう、お願いいたします。これからは国会により近い場所で、皆様とお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。

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