Column No45 『ダルマと禅』

自見はなこ先生。祝当選!パチパチパチ。感激と驚きのダルマの目入れの儀式にパチパチパチ。私は群馬県在住で前橋市と太田市で2回必勝ハチマキを巻き応援にまいりました。

ダルマといえば高崎が有名で今年の春にはじめて高崎観音を見に行き寅年の黄色いダルマ(金運上昇だったのか)を買いました。ダルマを購入した時は、両目には何も書かれていない状態となっており、願を込める時に片目(ダルマの左目を描く)だけを入れることを開眼(かいげん)と呼びます。そして、願いが叶ったら願いをかなえてくれたダルマに感謝しながら右目を入れ、神社へ持っていき供養をしてもらう。ダルマは真っ赤な赤が特徴的ですが、この赤色は魔除け効果があると古くから言われています。赤色は火や血の色を表し、様々な災いや病気から身を守ってくれるとされています。

神社の鳥居も赤いですが、神聖なものに赤色を用いることは多かったとされています。ちなみに上州(今の群馬県あたり)では15種類の色ダルマがあるそうです。ダルマは達磨大師(釈迦にはじまる仏教の正法(正しい教え)を受け継ぎ、28代目となった)がモデルといわれ、中国の嵩山少林寺(すうざんしょうりんじ・カンフー映画「少林寺」や「少林サッカー」で日本でもよく知られている中国河南省のお寺)で9年も坐禅を続けたことにより手足を失った、あるいは赤い袈裟で手足が見えなかったからといわれています。
坐禅とは姿勢を正して座り、精神を統一させることで自分と向きあうという仏教の修行方法である。本来の意義は「自分自身の心を静かに見つめなおすこと」にあります。坐禅と座禅は「坐」はすわるという動作をさし「座」はすわる場所を表すため「坐禅」が正しい表記ですが、知名度と一説には登用漢字ではないことから「座禅」も多く使われているそうです。さて、私が生まれ育ったところは石川県の輪島市門前町(旧鳳至郡)中学も高校も門前の名前が入っています。もちろん門前町ですからお寺があります。現在は曹洞宗總持寺祖院(正式名は諸嶽山總持寺)開創700年(元亨元年1321)余りとなっております。約110年前の火災により現在の神奈川県横浜市鶴見区に移り曹洞宗大本山總持寺となりました、関東に来て40年近くになりますが数年前にはじめて訪れました。テレビで有名人(ブラインド開けたり、ワイングラスを持ったり)のお墓があることは知っていましたが、まさか案内の矢印があるとは思わなかった。約15万坪の広大な敷地に建物も立派でしてとても祖院から想像できるものはなかった。ここで修行ではなく体験として「坐禅の魅力を」紹介します。宗派によって壁に向かうか背を向けるか違いがあるようです。

一つ目の魅力は姿勢を整えられることです。現在では核家族や一人暮らしも多くで誰も姿勢について指摘してくれません。坐禅では調(ととの)えるといいます。二つ目はゆったりと呼吸(10数秒で何回とかコツがあるそうです)を調えて心をおちつかせられます、最後に落ち着いた心で自分を見つめなおして不安や悩みがクリアになることが期待できる(大自然をゆっくり眺めている感じ同じ効果?目は閉じてますが)。どうもドリフ世代ですと「喝」を想像しがちですが、あの棒のようなものは警策(けいさく)といいます。警策の受け方のお作法も宗派によって違うようです。禅宗でも曹洞宗ではそう呼ぶようです。子供のころから何回も祖院の坐禅の場所は見たことはありますが実際体験したことは残念ながらありませんが是非体験(30分1000円拝観料込)したいと思います。

皆さんも能登半島へ行かれた際には輪島の朝市や御陣乗太鼓と合わせてぜひお立ち寄りください。山門より振り返ると数百メートル先の正面に実家があります。宗派によると思いますが同じ宗派ならお寺にはランクがあり総本山から大本山、本山、末寺等になります。曹洞宗には大本山が二つあります、福井県の永平寺と鶴見の總持寺です。ちょうど、私達が父と母の両親を持つように、道元禅師の永平寺と、瑩山禅師の總持寺を両大本山とお呼びします。道元禅師が正しい仏教の教えを中国より日本に伝えられ、道元禅師から四代目の瑩山禅師が全国に広められ、曹洞宗の礎を築かれました。生まれ育ったところにこんな歴史があり小学生の低学年の頃は、お釈迦様の行事で川に落ちたり、母は精進料理のお手伝い、私の卒園した保育園は直ぐ隣、小学生の写生大会など年を重ねるごとに地元に誇りをもちはじめました。

しかし実家は親鸞聖人の浄土真宗の門徒なので総本山の西本願寺になります。最後に達磨大師の「達」とダルマの達成祈願の「達」なにかあるのかなとふと思った次第です。

 

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